2010年08月04日

自然科学に弱かった二宮尊徳

「二宮尊徳」(15)
武者小路実篤 1885-1976
saneatsu musyakouji

昭和31.7.30.初版(角川書店)

<自然科学に弱かった二宮尊徳>
「自分(実篤)は日本において最も正しく
自己を根本から生かし、又他の個人に向かって
も自己を正しく生かすには、どうしなければ
ならないかを本当に教えた最大の人として、
二宮尊徳を尊敬する。世界にも二宮尊徳ぐらい、
正しく自己を生かし、他人を生かすことを心得、
又実行した人は少ないと思っている。」

「正直に言って尊徳を自分が孔子や釈迦のように
尊敬できないのは、自然科学を知らなさすぎるに
かかわらず、天地の経文を読もうとしたために、
読み違いが多く、あまりに自己流な読み方を
しすぎている点だ。その点で頭がいいとは言え
ない。しかしそれにもかかわらず、彼が孔子や
釈迦に対立するだけの意力を内に感じていたの
は事実である。それは、へんな例をとって言えば
クルベーがレオナルドの前にでも威張って立つ
ことが出来るような具合だ。」(実篤)

panse280
posted at 19:49

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