2010年05月18日

シェイクスピアと霊界

「「霊界」の研究」(8)
--プラトン、カントが考えた「死後の世界」--
金森誠也
sigenari kanamori
1927-
2008.7.17.第1刷(PHP研究所)

<シェイクスピアと霊界>
・ハムレットから
亡霊:夜はあてどなくさまよい、昼は地獄の業火に
とりまかれ、生前この世で犯した罪の数々の焼き浄め
られる苦患に堪えねばならぬ定め。その恐ろしい責苦
の模様は語れぬ。語れば、その一言で、お前の魂は震
えおののき、若き血潮も凍りつこう。・(福田恆存訳)


補記:(シェイクスピア)
ファウスト博士の半世紀後、シェイクスピア(1564-1616)
は生まれる。18歳にして8歳上の女性と結婚。52歳没。
4月23日に生まれて、4月23日に死んだ。

--言葉--
・女は娘でいるうちは五月の花時のようだが、亭主持ちに
なると、忽ち空模様が変わる (お気に召すままに)

・美しい妻を持っていることは地獄だ(ウィンザーの陽気な女房)

<ブルータス>--(ジュリアス・シーザー)
ダンテは、世界の三大反逆者として、ユダ、ブルートゥス、
カシウスを挙げている。

ブルータスの祖先はローマの自由のために闘った輝かしい
人たちばかりであった。ブルータスは知性の人であり、
あらゆる独裁者を嫌った。
かってブルータスはポンペイウスの側について、シーザー
と戦い、敗れた。シーザーに恩赦の手紙を書いた。シーザー
は彼を許し、取り立てた。しかし、シーザーが終身独裁官
に就くに及んで、ブルータスは恩義あるシーザーの殺害を
決意する。
シーザーの死後、ブルータスは報復を恐れてローマを去った。
アントニーとオクタヴィアヌスの連合軍、とブルータスと
カシウス一派の戦闘が行われた。

ブルータスは悪者か?ニーチェは反論する。

「私(ニーチェ)がシェイクスピアについて語ることの
できる最も美しいことは、この人がブルータスを信じ、
ブルータス流の徳について、いささかの不信感をも抱か
なかったということである。シェイクスピアは、ブルータス
にその最良の悲劇を捧げた。この悲劇の外題は誤って「
ジュリアス・シーザー」と付けられているけれども、
シェイクスピアは、この悲劇をブルータスと高貴なる道徳
の最も恐るべき本質に対し捧げたのである。」
(イェントナー「七つの歴史的対決」)

さらにニーチェは、「ハムレットの憂いなどブルータスの
それと比べれば問題にならない」と述べている。


panse280
posted at 20:42

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字