2010年05月12日

プラトンと霊界

「「霊界」の研究」(2)
--プラトン、カントが考えた「死後の世界」--
金森誠也
sigenari kanamori
1927-
2008.7.17.第1刷(PHP研究所)

<プラトンと霊界>
プラトンは「パイドン」「国家」などおおくの著作で
冥界を描いた。「パイドン」では、ソクラテスの言葉
を借りて、霊魂不滅を説いた。初期の「ゴルギアス」
では、地獄に落ちる者は、おのれの欲望や意志を制御
できなかった者達である、と語る。「国家」では、
「実際に霊界を見てきたという視霊者の報告」を掲げて
りる。エルの見た地獄では、亡霊をさいなむ獄卒が勤務
している。霊たちが、霊界から再び俗世間に帰るに
あたっては、神官の提示するクジによって自らの道を
選択する。オルペウスは、白鳥に、タミュラスは鶯に、
アガメムノンは鷲に生まれ変わった。オデュッセウス
は、前世の苦労が身にしみて、名もない一私人の生涯
を選んだ。
「パイドロス」では、死後の善霊、悪霊、運命について
説いている。真理を全く洞察しなかった者は再び、人間
の形をとることはない、と語る。

注:
「パイドン――魂の不死について」
「パイドロス――美について」
「ゴルギアス――弁論術について」
「国家――正義について」

panse280
posted at 20:03

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