2010年04月16日

プラトンの「パイドロス」と本居宣長

「本居宣長(下)」(7)
小林秀雄
hideo kobayashi
1902-1983
平成4.5.25.発行(新潮社)

---本居宣長補記----

<プラトンの「パイドロス」と本居宣長>
「この「対話篇」は、パイドロスがソクラテスに向い、
本当のところを打ち明けて戴きたいが、あなたは、この
ような神々の物語を、事実あった事とお信じになるか
という質問と、これに対するソクラテスの答えから
始まっている。ソクラテスは、もし私が当今の利口者
なみに、そのような伝説は信じないと言えば、妙な男
と思われないで済むだろうがと言葉を濁し、このような
面倒な問題を、あまり単純に受けとっているパイドロス
の、無邪気な問いをはぐらかすのだが、その婉曲なはぐ
らかし方に、全篇を形成する種が宿っている。
対話は、そういう仕組みになっている。尤も、プラトン
が実らせた果実の吟味まで、私の手がとどくわけではない。
ここでは、先ず何がソクラテスの気に入らなかったかを
言う事にする。それは宣長と全く同じ考えだからである。」


補記:
神話を信じますか?
「信じない」と答えれば、無難ですが・・・
プラトンや宣長はそうは答えなかった。

panse280
posted at 20:23

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