2010年04月05日

「今昔物語」にみる大和魂

「本居宣長(上)」(37)
小林秀雄
hideo kobayashi
1902-1983
平成4.5.25.発行(新潮社)

<「今昔物語」にみる大和魂>
「今昔物語」に「明法博士善澄、強盗に殺されたること」
という話がある。

ある夜、善澄の家に強盗が入った。善澄は隠れて彼らの
狼藉を伺っていたが、彼らが立ち去ると、後を追って
飛び出し、おのれ等の顔は、皆見覚えたから、夜が
明けたら検非違使に訴えて、召し捕らせるとわめいた。
それを聞いた強盗たちは、引き返して善澄を殺した。

物語作者は言う「善澄才はめでたかりけれども、露、
和魂(やまとだましい)無かりける者にて、かかる
心幼き事を云うて死ぬる也」

つまり、善澄は博識ではあったが常識(大和魂:知慧)
がなかったので殺された、というのである。

付記:「やまと心」初見の赤染衛門の歌(後拾遺和歌集)
も同様で、「人は学問などすると、どうして、こうも
バカになるものか」と言っているようである。

panse280
posted at 18:58

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