2010年03月26日

「源氏」は歌物語である

「本居宣長(上)」(27)
小林秀雄
hideo kobayashi
1902-1983
平成4.5.25.発行(新潮社)

<「源氏」は歌物語である>
「宣長は「源氏」を「歌物語」と呼んだが、これ
には彼独特の意味合いがあった。
・・・
光源氏は、言わば宣長の信ずる「歌道」の達人の
役をふられて演技する・・・
・・・
「孔子もしこれを見給はば、三百篇の詩をさし
おきて、必ずこの物語を、六経につらね給ふべし。
孔子の心をしられん儒者は、必ず私の言を過称と
は言わない」(紫文要領)」


「光源氏という人物は、本質的に作中人物であり、
作を離れては何処にも生きる余地はない。宣長は、
これを認識した最初の学者であったが、又、個性的な
開眼を孕んだ、その認識の徹底性において、最後の
人だったとも言える。光源氏を、「執念く、ねじけ
たる」とか、「虫のいい、しらじらしい」とかと
評する秋成や潤一郎の言葉を、宣長が聞いたとしても、
この人間通には、別段どうという事ではなかったで
あろう・・・」

panse280
posted at 21:36

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