2010年03月23日

宣長の「道」

「本居宣長(上)」(24)
小林秀雄
hideo kobayashi
1902-1983
平成4.5.25.発行(新潮社)

<宣長の「道」>
「彼(宣長)は、知ると感ずるとが同じである
ような、全的な認識が説きたいのである。
・・・
問題は、ただこの無私で自足した基本的な経験
を、損わず保持して行く事が難かしいという
ところにある。難かしいが、出来る事だ。
・・・
それが、宣長が考えていた、「物のあはれを知る」
という「道」なのである。」

<情と欲>
「宣長は、情と欲とは異なるものだ、と言っている、
・・・
「欲はただ願い求める心のみにて、感慨なし、情は
ものに感じて慨歎するものなり。恋いというものも、
もとは欲より出ずれども深く情にわたるものなり」」

「「欲」は、実生活の必要なり目的なりを追って、
その為に、己れを消費するものだが、「情」は、
己れを顧み、「感慨」を生み出す。」

panse280
posted at 20:51

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