2010年03月11日

俗の外に道なし

「本居宣長(上)」(14)
小林秀雄
hideo kobayashi
1902-1983
平成4.5.25.発行(新潮社)

<伊藤仁齋(1627-1705)>
伊藤仁齋は「論語」を「最上至極宇宙第一書」
と書いている。
「彼は、稿を改める毎に、巻頭に、「最上至極
宇宙第一書」と書き、書いては消し、消しては
書き、どうしたものかと迷っている様子が、
明らかに窺えるそうである。・・・恐らく
これは、ある人間の立派さを、本当に信ずる事
が出来た者だけが知るためらいと思われる。」

尾形光琳(1658-1716)と尾形乾山(1663-1743)
とは、「仁齋の従兄弟であったが、仁齋の学問
に関する基本的な態度には、光琳や乾山が、花や
鳥の姿に応接する態度に通ずるものがあったと
考えてよい。」

「仁齋の学問を承けた一番弟子は、荻生徂徠と
いう、これも亦(また)独学者であった。・・・
徂徠が、「独り先生(仁齋)に郷(むか)ふ」
と言う時、彼の心が触れていたものは、藤樹に
よって開かれた、「独」の「学脈」に他ならな
かった。」

「卑しければ即ち自ら実なり、高ければ必ず
虚なり、故に学問は卑近を厭うことなし。
卑近をゆるがせにする者は、道を知る者に
あらざるなり」(「童子問」仁齋)

「俗の外に道なし」(「童子問」仁齋)

panse280
posted at 22:02

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