2010年02月11日

重大問題は解決される時にしか提出されない

「小林秀雄全作品・別巻感想(上)」(3)
--未完のベルグソン論--(1958)
小林秀雄
hideo kobayashi
1902-1983
平成19.3.10.2刷(新潮社)

<時間>
「真の重大問題は、解決される時にしか決して提出されない。」

「「砂糖水が作りたいと思ったとする。その場合、私が何を
しようと、砂糖が水に溶けるまで待たねばならぬ。この
ささやかな事実が、大きな教訓だ」。これは、「創造的進化」
の書き出しにある有名な比喩である。」

「仕事が、幾月も幾年もかかるという事なら、どうだと
いうのだ。要るだけの時間を掛ければよいではないか。
・・・かくの如きものが、哲学者に提出する私の方法である。」
(「思想と動くもの」の「序論」より)

<文体>
「近世の哲学者で、ベルグソンほど、その表現に、科学の成果、
その徹底した抽象性を利用すると同時に、芸術から、その
イメージを存分に借りた哲学者はない。両者は、少しも妥協
せず、混同せず、経緯となって、生き生きした独特な文体を
織り上げ、因習的な哲学上の術語の曖昧さをしめ出している。」

<「物質と記憶」>
「意識は物質の随伴現象に過ぎない、物質に加えられた付随物
に過ぎないと考えられねばならないが、そういう仮説が、事実
に反する事は、「物質と記憶」で、充分に証明した、と
ベルグソンは言う。」

panse280
posted at 16:39

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字