2010年01月30日

恐るべきは志賀直哉の存在だ

「芥川龍之介」(2)
小島政二郎
masajiro kojima
1894-1994
2008.8.10.1刷(講談社文芸文庫)

<武者小路と倉田百三>
「なんで彼(芥川)は武者小路をあんなに愛した
のか。武者小路の下手な文章なんか気にしないで、
心のうちをさらけ出した彼の本質を愛したのだろう。
・・・
いつか芥川が武者と倉田百三との違いを一言で云って
のけたことがあった。「倉田はしじゅう大真面目だが、
武者は時々気を抜いておかしいよ。しじゅう大真面目な
のは、どうも構えがあってニセモノの感じがする。
武者の方がホンモノだよ」」

<志賀直哉>
「自分(芥川)は現代の作家の中で、一番志賀氏を
尊敬している。尊敬しているばかりでなく、氏の作品
が一番好きである。自分の信念の通りに云えば、志賀
氏は現在の日本の文壇では、最も傑出した作家の一人
だと思っている」

「僕(芥川)は仕事の上では、今日までいかなる人を
も恐れたことはなかった。知恵では決して人に負けた
ことはなかった。ここに唯一人、僕にとって恐るべき
は志賀直哉の存在だ。志賀直哉一人だ。志賀直哉の
芸術は、天衣無縫の芸術だ。僕は天下唯一人志賀直哉
に立ち向う時だけ全く息切れを感じる。僕の一生涯の
仕事も、遂いに志賀直哉の仕事の前には叶うべくも
ない」

panse280
posted at 21:35

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