2010年01月23日

神道(2)

「この国のかたち(5)」(2)
司馬遼太郎
ryotarou shiba
1923-1996
2008.6.25.8刷(文春文庫)

---神道(2)---
<聖武天皇の東大寺大仏造立>
聖武天皇は大仏造立する詔を発する前々年(741)、
僧行基を伊勢に派遣した。伊勢神宮は皇室の宗廟
であるだけでなく、神社の筆頭であった。
「(行基は)伊勢にあっては内宮南門の大杉の下
に臥し、七日間の祈請をおこない、ついに、仏教
国家をよしとする神意を得たという。」

<神様が聞く仏教講義>
「いまも八幡神は仏教のお経を聞いている。
場所は、奈良の東大寺である。ここに、八、九世紀
からと思われる「八幡殿講門」という、ふしぎな
法要がつづいているのである。
・・・
法要の眼目は、八幡神にむかっておこなわれる
「華厳経」の講釈である。神が、それを聞く。
・・・
神といえば一地方の文化的存在にすぎないのだが、
それが普遍的文明の光を浴び仏になり給う。
”それが和光同塵なのです”というのが、この
法要の論理的なすじである。おもしろいことに、
和光同塵は仏教のことばではなく道教の用語なの
です。」


panse280
posted at 23:55

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