2010年01月06日

三島由紀夫の不満

林房雄1903-1975
fusao hayashi
三島由紀夫、1925-1970
yukio mishima

「対話・日本人論」(18)
昭和41(1966)年10月20日初版(番町書房)

<大嘗祭--天皇再生の儀式>
(三島)
「明治大帝はりっぱでしたね。特に御製はりっぱ
ですね。」
注)御製:天皇の作った詩文・和歌。
(林)
「りっぱです。」
(三島)
「・・・僕は大嘗祭(おおなめまつり)というお祭り
が、いちばん大事だと思うのですがね。あれはやはり、
農本主義文化の一つの精華ですね。あそこでもって、
つまり昔の穀物神と同じことで、天皇が生まれ変わら
れるのですね。そうして天皇というのは、いま見る
天皇が、また大嘗祭のときに生まれ変わられて、そう
して永久に、最初の天照大神にかえられるのですね。
そこからまた再生する。」

<三島由紀夫の不満>
(三島)
「僕は、新憲法で天皇が象徴だということを否定して
いるわけではないのですよ。僕は新憲法まで天皇が
お待ちになれず、人間宣言が出たということを残念に
思っているのです。いかなる強制があろうとも。」

panse280
posted at 20:20

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字