2009年12月27日

二・二六事件

林房雄1903-1975
fusao hayashi
三島由紀夫、1925-1970
yukio mishima

「対話・日本人論」(10)
昭和41(1966)年10月20日初版(番町書房)

<二・二六事件>
(林)
「僕もあの事件には感奮興起してね、当時の雑誌
「改造」特集号に書いた文章が残っている。日本
の革命はこれ以外にない、共産党などもう信用で
きないと書いている。私が左翼から右翼にいった
動機は二・二六事件ですよ。北一輝などを読み始め
たのは、あれ以後です。」

<純粋実験としての神風連>
(三島)
熊本敬神党、世間では神風連といっています。
彼らは、西洋のものは受け付けない。
紙幣は西洋風のものだから、箸ではさんで持つ、
電信線は西洋のものだから、その下をくぐらない。
洋服を着た人にあったら塩をまく、廃刀令絶対反対、
長刀結髪・・・刺客となりて当路の奸臣を倒す・・・

「・・・もし一つの思想にとらわれたら、ここ
まで徹底しなければ、芸術家を心服させないですよ。
芸術家というのは、一つの作品のなかでは、神風連
に近いような、完全な体系をつくらなければ、芸術
作品として自立しない。そのなかでどんな間違った
思想でも、どんなバカげた考えだろうが、芸術作品
というのは、一つの夢だとか、そういうものに似て
いるのであって、僕たちはそういうものをシステマ
タイズする。
・・・
僕はある一定数の人間が、そういうことを考えて行動
したということに、非常に感動するのです。」

panse280
posted at 19:43

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