2009年12月20日
質と衰弱
林房雄1903-1975
fusao hayashi
三島由紀夫、1925-1970
yukio mishima
「対話・日本人論」(3)
昭和41(1966)年10月20日初版(番町書房)
<質と衰弱>
(三島)
「「葉隠」のなかに、一芸一能にだけに秀でたのは
駄目だと書いてある。これは、とても素晴らしい
思想だと思った。
芸能に上手といはるる人は、馬鹿風の者なり。
これは、ただ一遍に貧着するゆえなり。
愚痴ゆえ、余念なくて上手になるなり。
何の益にも立たぬものなり。
というね。僕は芸術上の質というもののなかにある
衰弱というものを、こんなにはっきり書いている
文章はないと思う。
・・・
質ということばにある文化主義的な衰弱というもの
がいやになってきた。いまやはり日本を弱めている
のは、文化主義的衰弱ですよ。」
fusao hayashi
三島由紀夫、1925-1970
yukio mishima
「対話・日本人論」(3)
昭和41(1966)年10月20日初版(番町書房)
<質と衰弱>
(三島)
「「葉隠」のなかに、一芸一能にだけに秀でたのは
駄目だと書いてある。これは、とても素晴らしい
思想だと思った。
芸能に上手といはるる人は、馬鹿風の者なり。
これは、ただ一遍に貧着するゆえなり。
愚痴ゆえ、余念なくて上手になるなり。
何の益にも立たぬものなり。
というね。僕は芸術上の質というもののなかにある
衰弱というものを、こんなにはっきり書いている
文章はないと思う。
・・・
質ということばにある文化主義的な衰弱というもの
がいやになってきた。いまやはり日本を弱めている
のは、文化主義的衰弱ですよ。」