2009年12月14日

曲学阿世の憲法論議

林房雄1903-1975
fusao hayashi
岡潔、1901-1978
kiyoshi oka

「心の対話」(7)
昭和43(1968)年3月29日初版
(日本ソノサービスセンター)

<曲学阿世の憲法論議>
(岡)
「キリスト教というのは、小我を自分だとして
いる個人主義の宗教です。小我をもって隣人を
愛せといっても無理なのですがねえ。」
(林)
「吉田(茂)さんが、曲学阿世と罵(ののし)った
のは南原繁(元東大総長)ですが、南原にしても
矢内原忠雄(元東大総長)にしてもクリスチャン
系統です。彼らも、わが意を得たりと信じこんだ
わけですよ。キリスト教精神に合っていますからね。
それに、日本の経済が、あの憲法下でとにかく
復活し発展したものですから、これはいい憲法だと、
国民も錯覚した。
・・・
新憲法をそのままにしておくと、アメリカは勝手
なことができるし、ソ連と中共もつけこみやすい。
・・・
新憲法では、総理大臣は直接、教育にも治安にも
発言できない。
・・・
大学にも日教組にも、直接には何も言えない。
機動隊も指揮できない。おまけに裁判所が国家
機構の外にある。
・・・
矢内原忠雄にしても、谷川徹三にしても、学問は
広くてりっぱな人なんですが、新憲法支持です。
つまり、あの人たちの考えかたには、世界国家と
いう前提があるんですよ。世界国家ができあがれば
、各国は軍備を廃棄する、だから、軍備はないほう
がいいという前提です。」
(岡)
「いますぐ、世界国家を考えるのは、思いあがり
でしょうね。
・・・
世界国家を唱えている湯川秀樹君は、まるで木の
股から生まれたようなことを言っている。ぼくは
大学で教えたことがあるのですが、あんなむちゃな
ことを言っているのを、いちど叱っておきたい。」

panse280
posted at 20:20

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