2009年11月28日
国酒論
林房雄1903-1975
fusao hayashi
「緑の日本列島」(21)
昭和41(1966)年8月5日第一刷(文藝春秋)
<「国酒論」林房雄>
「私(林)はすでに酒の現役ではないが、体力旺盛
で酒豪をもって任じていたころ、「国酒論」という
戯文を書いたことがある。
・・・
日本の愛酒家諸君は諸国の名酒を遍歴しても一定の
年齢を越えると日本酒にかえってくる。豊葦原の
瑞穂の国の住民は太古以来コメを主食に生きてきた
ので、細胞がコメ化されていて、酒の好みもまた
結局、コメの酒に回帰する、と書いたのをおぼえて
いる。
・・・
私と同年齢の酒友を見わたすと、世界の文化と酒を
ぜいたくに遍歴しながら、今は日本酒にかえっている
者がすくなくない。小林秀雄などがその代表である。」
fusao hayashi
「緑の日本列島」(21)
昭和41(1966)年8月5日第一刷(文藝春秋)
<「国酒論」林房雄>
「私(林)はすでに酒の現役ではないが、体力旺盛
で酒豪をもって任じていたころ、「国酒論」という
戯文を書いたことがある。
・・・
日本の愛酒家諸君は諸国の名酒を遍歴しても一定の
年齢を越えると日本酒にかえってくる。豊葦原の
瑞穂の国の住民は太古以来コメを主食に生きてきた
ので、細胞がコメ化されていて、酒の好みもまた
結局、コメの酒に回帰する、と書いたのをおぼえて
いる。
・・・
私と同年齢の酒友を見わたすと、世界の文化と酒を
ぜいたくに遍歴しながら、今は日本酒にかえっている
者がすくなくない。小林秀雄などがその代表である。」