2009年11月17日

伊藤博文

林房雄1903-1975
fusao hayashi

「緑の日本列島」(10)
昭和41(1966)年8月5日第一刷(文藝春秋)

<「天皇制」(井上清)1953>
戦後の左翼史家の井上清氏は「天皇制」で、

「(天皇制は)ごく最近、今からわずか78年
前のいわゆる王政復古を出発点としてつくられた
ものである。
・・・
すなわち天皇の万世一系は、人民の苦しみの
万世一系の頂点として、ただその意味に於いて
のみ存在し得たのである」
と書いた。

「このような史観と断定は天皇制打倒をいそぐ
共産主義党派の政治的必要から生まれたもので
あるが、同時に、伝統というものの意味を知らぬ
無知無識からも生まれる。」

<千円札ー伊藤博文>
「今(当時)の千円札の肖像画は伊藤博文である。
・・・だれが選んだのかは知らぬが、これを選んだ
のは正しい伊藤博文評価だと私は思う。在世中から
いろいろと悪名高く、敗戦後は特に「日本帝国主義」
の元凶の一人として攻撃されている彼の肖像を敢えて
選んだ造幣局の勇気に、私は感心している。」

補記:

・勝海舟は西郷隆盛に次ぐ人物として伊藤博文を評価。
・薩摩の少年たちには、勤皇史としての「太平記」を
読むことが義務づけられていた。


panse280
posted at 22:16

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