2009年10月19日

神話について

林房雄1903-1975
fusao hayashi

「日本への警告」(10)
昭和44(1969)年2月10日初版(日本教文社)

<神話について>
--歴史は人間の行動史であり、人物の歴史であり、
したがって英雄史になる(ヤスパース)--

「ヤスパースが言うように、すべての神話は英雄譚である。
英雄譚であることが歴史の本質であって、その本質は既に
神話の中に現れている。レヴィー・ストロースは、「・・・
各民族の神話をよく研究してみると、神話はその基本構造に
おいては、文明社会の科学と同じように、非常に厳密な
法則の上に立って、出来上がったものである、決してでたら
めに発展したものじゃなくて、近代科学がもっている以上の
厳しい思考様式の上に立っている」と書いております。」

私達は父と母から生まれる。そして父と母もそうやって
生まれた。この気の遠くなるような連鎖を思うとき、
プラトンの言葉が響いてくる。

「「知識は想起、思い出すこと」であり、「我々が、
ああそうだ、もっともだと理解するのは、魂が前世の
経験を想い出すのだ」と。」

「カントは「良心とか正義とか善とかいうものは
先験的なものである。生まれたのちの教育や経験に
よって生じたのじゃなくて、先験的な、経験以前の
ものだ」と言っております。」

panse280
posted at 20:58

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