2009年09月17日

エイス・エアウトン

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショーペンハウアー」(2)
リュディガー・ザフランスキー(法政大学出版局)
山本 尤訳1990年1月17日発行


<エイス・エアウトン>
「1823年(35歳)、ショーペンハウアーは、彼の
秘密の雑記帳「エイス・エアウトン」にこう記して
いる。

「私は時々自分が不幸だと感じたことがあるが、これ
はただ勝ってに”思い違いしている”ために起こって
いたと言える。そうしたとき私は、自分を自分とは
違った他者と思って、その他者の苦しみを嘆き悲しん
だものだ。例えば、教授になれず、聴講生もない私講師
とか、あの俗物からは悪しざまに罵られ、このおしゃべり
女からからかわれる男とか、名誉毀損で訴えられた男、
あるいはご執心の娘から肘鉄を食らわせられる色男とか、
病気で家に閉じこもっている患者とかに、自分をなぞら
えたものだ・・・私はそんな連中の誰とも違っていたし、
その誰とも共通するものはなく、それはせいぜいしばら
く着ていたが別のに取り替えた上着の生地くらいでしか
なかった。しかし、では一体私とは何者なのか。
「意志と表象としての世界」を書き、存在の大問題に
解答を与えた男・・・それが私であるのか、これからも
生きて行かねばならない歳月にこの男を悩ますものは
何なのか」(HN ?,2,109)(p.448)


上記はショーペンハウアーの破局一覧である。
つまり、大学での失敗、マルケに対する損害賠償訴訟、
踊り子(コーラス・ガール)リヒターとの不幸な情事、
神経症と耳の不調等々。

panse280
posted at 20:57

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