2009年09月14日

パレルガとパラリポーメナ(余録と補遺)

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショーペンハウアー」(3)
W.アーベントロート(ロロロ伝記叢書・理想社)
伴一憲訳1983年1月15日発行


<マイスター・エックハルト>
「マイスター・エックハルトが余りにもキリスト教
教義の枠内に捉われすぎて、己れの自由闊達な驚く
ほど深遠な諸直観を純粋に露呈せしめるまでに至ら
なかった点を、ショーペンハウアーは残念に思った。」

<パレルガとパラリポーメナ(余録と補遺)>
ショーペンハウアーは晩年のこの書物によって
有名になったわけだが、この中の「生活の知恵の
ためのアフォリズム」はアインシュタインの愛読書
でもあった。

「もしこの観察者(ショーペンハウアー)に対して
言い逆らおうと試みるだけでなく、論破しようと思
うならば、それは至難なことであろう。これらの章
での著者は自らの観察結果の的確な素描によるだけ
でなく、自らの判断の信頼に足る基礎づけによっても、
なんと絶えず光彩を放っていることだろう。そのうえ
彼は意図的に世の風習に調子を合わせて書いたこの
諸論攷のなかで、真面目な万指南役の役割を演じて
いるほかに、悪魔の役割の方もあきらかに楽しんで
演じている。
そして彼の才気煥発な表現を特に豊富にもりこんで、
彼の講演を趣きあるものにしている。しかもこの
才気煥発な表現は活気に溢れ、具象性に富み、感銘
深く、機知とイロニーと高尚な批判的邪気とに富ん
でいる。こういったことの全てが、ひっくるめて、
この<アフォリズム>の一読をたとえようもなく
知的な楽しみたらしめている。」

panse280
posted at 21:02

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