2009年09月01日

ショーペンハウアーとの会話

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショーペンハウアー」(2)
(文庫クセジュ)エドゥアール・サンス


<ショーペンハウアーとの会話>
-- 1859,死の前年、フランクフルト「英国ホテル」で --
「生き生きとして澄んだ眼をして、やや皮肉な感じ
の薄い唇にかすかな微笑を浮かべた、一人の老人
だった。・・・彼は四つの国語(英独仏伊)に同じ
ように完璧に精通し、話すことができたし、スペイン語
にもかなり通じていた。彼がしゃべるときには、この
老人の才気がドイツ語というやや重苦しいキャンパスに
、ギリシャ語、ラテン語、英語、イタリア語などの
華々しいアラベスク模様を刺繍してゆくのだった。
その活気、溢れ出る才知、豊富な引用、細部の確かさは、
淀みなく、時の流れを進んで行く。ときとして、親しい
友人たちの小さなサークルで、夜明けまで、彼の話に
聴き入ったことがあったが、一瞬たりとも彼の表情に
疲れの色がよぎることはなく、彼の眼差しの輝きが
束の間といえども翳(かげ)りを見せることもなかった。」
(A.フーシェ・ドゥ・ケレイユ伯爵
「ヘーゲルとショーペンハウアー」1862)

panse280
posted at 20:13

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