2009年08月28日

哲学の勉強について(1)

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「哲学入門」(2)
旺文社文庫(斎藤信治訳)昭和45年6月1日発行
本書は「意志と表象としての世界」の約1/6の縮小訳。

<哲学の勉強について>(1)
--ショウペンハウエルがベルリン大学の私講師として
初めて教壇に立ったときに、講義の最初に学生達に
語ったものである。---その抜粋、意訳、引用---

まず、哲学の歴史こそが私の講義を理解しうるための
最上の手引きだと申し上げます。
最初の哲学は本質的には自然学でした。西洋哲学の
開祖ともいうべきターレス、その弟子アナクシマンド
ロス、ペイロン、アナクシメネース、そしてアナクサ
ゴラスの弟子アルケラオスにいたって、哲学が突如と
して自然探求の道を捨て去るのを見ます。
ターレスと同じ頃南イタリアではピタゴラスがその
教えを広めていました。おそらく彼はターレスなど
よりはるかに偉大な人間であったと思われます。
ターレスのかわりに、ピタゴラスを西洋哲学の開祖
とみなしてもかまわないと思います。彼はアリスト
テレスの多面的な探求心とプラトンの深さとをかね
そなえた人間のように思われます。
私は今、ピタゴラスを西洋哲学の開祖だといって
かまわないといったのですが、自分ながら若干の
疑問もあるのです。というのは、もしかしたら
ピタゴラスの哲学は本来は東洋哲学の系統に属する
もので、西洋では全く異色の植物だったのではない
かと考えられるからなのです。彼はエジプトやバビ
ロニアを訪れただけでなく、きっとインドにも行って
います。彼の霊魂輪廻の説は当時のヨーロッパには
全然知られていなかったものです。また彼の教団に
おいては肉食が禁じられていました。彼の教団から、
その後、エムペドクレス、クセノファネスがでます。
そしてソクラテスによって南イタリアの哲学とイオ
ニアの哲学が統合されます。

このさい特に皆さんにお薦めしたいのは、ぜひ古い
ギリシャの哲人たちの思想に親しんでください、と
いうことです。これこそは誠に素晴らしい勉強で
しょうし、人間の精神の純粋な形成にとってこれほど
に有益な勉強というものはほかにはめったにあります
まい。

(つづく)

panse280
posted at 20:59

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