2009年07月27日

未来のショーペンハウアー

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集別巻」(411)
--「生涯と思想」--(15)


「ショーペンハウアー,1938」
(トーマス・マン)より(20)

<未来のショーペンハウアー>
「私は、ショーペンハウアーを「現代的」だと
言ったが、未来的だと言うべきであったかもしれ
ない。彼の人格を構成しているもろもろの要素、
例えば、彼の人格の明暗の調和、彼の内部におけ
るヴォルテールやヤーコプ・ベーメとの混和、
最も下部にある暗黒なものを告知する彼の古典
主義的明晰さをそなえた散文のパラドクス、人間
の理念に対する畏敬を決して否定しない彼の誇らか
な人間ぎらい、つまり、私が彼のペシミスティック
な人間主義と名づけたものは、未来の気分に満ちて
いるように思われ、流行的な名声につつまれた後
なかば忘れられていた彼の思想作品に、おそらく
今後も深い、生産的な人間的影響力を約束するで
あろう。彼の精神的な感性、彼の教説、すなわち
認識、思考、哲学はたんに頭脳の問題であるばかり
ではなく、血も涙もあり、肉体と魂を持った全的な
人間の問題であるという、生そのものであった彼の
教説、一言にしていえば、彼の芸術家精神は、ひか
らびた理性万能と本能神化との彼岸に立つ人間性に
属するものであって、そのような人間性を生み出す
のに力を貸してくれるかもしれない。
というのは、辛苦して自己自身に向かう人間の道
連れとなった芸術は、いつもすでに目標に達して
いるのだから。」

panse280
posted at 19:56

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