2009年07月05日

学者は決して哲学者となることは出来ない

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集別巻」(390)
--「生涯と思想」--(14)


「教育者としてのショーペンハウアー」
(ニーチェ)より(8)

<学者は決して哲学者となることは出来ない>
「人はここで、ショーペンハウアーがあらゆる
面でまったく偉大であること、そして彼の効果
が、いかに小さく、いかに不合理なものである
かを心底から痛感するがよい!
・・・
確かに、このところ彼はしだいによく知れわたり、
有名になった。私は、いまやすでに多くの人々が
ヘーゲル以上に彼の名を知っていると信ずる。
それにもかかわらず彼はいぜんとして隠者である。」

ショーペンハウアーにとって幸運だったのは、彼が
学者になるための教育を受けなかったことである。

「学者は決して哲学者となることは出来ない。
・・・
(カントでさえも例外ではない)
・・・
私がこの言葉でカントに不正を働いていると信ずる
者は、哲学者が何であるかを知らない。すなわち
哲学者とは、たんに大思想家であるばかりではなく、
現実に一個の人間なのである。学者から現実の人間
が出現するのはいつのことであろうか?」

panse280
posted at 19:13

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