2009年07月01日

私が長い間探し求めていた哲学者

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集別巻」(386)
--「生涯と思想」--(10)


「教育者としてのショーペンハウアー」
(ニーチェ)より(4)

<私が長い間探し求めていた哲学者>
「私は彼のなかに、私が長い間探し求めていたあの
教育者と哲学者を見いだしたと感じた。たしかに
あったのは書物だけであった。これは大きな欠陥で
あった。それだけますます私はその書物を貫通して
生きた人間を表象すべく努力した。」

「彼はわれわれに人間の幸福を真に促進することと
見せかけだけ促進することとの間の区別を教える。
富裕になっても、権力者になっても、学問を積んでも
、おのれの存在の無価値についての深刻な不満から
個人を救出できないこと、さらに、これらの冨とか
名誉とか学問とかを得るための努力は、高尚かつ
清浄な全体目標をつうじてはじめて意味をもちうる
こと、また、力を具備し、これによって体力を鍛え、
愚行や不器用さを多少なりもの是正すべきことを彼
は教える。たしかにはじめは、おのれ自身のためで
はあるけれども、結局は全ての人のためになる。
これは勿論深刻にそして心から諦念へと導く努力
である。」

panse280
posted at 23:51

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