2009年06月25日

ワーグナーがショウペンハウアーを読む(2)

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集別巻」(380)
--「生涯と思想」--(4)

--Richard Wagner
Aus Beethoven,1870,usw--

<ワーグナーがショウペンハウアーを読む(2)>
「彼(ショーペンハウアー)の美学的側面は
私を完全に満足させた。とりわけ深遠な音楽
についての彼の理解は私を驚歎させた。しか
し、・・・道徳に関する結論は私を全く驚愕
させた。それというのも、ここでは、意志の
滅却、完全な諦念こそが世界の把握、並びに
世界との遭遇において痛感される個人個人の
制限拘束からの唯一の真の、しかも最終的
救済であることが示されているからだ。
・・・
このショウペンハウアーの要求は私の口にも
合わなかった。
・・・
その後何年たっても、この本(「意志と表象と
しての世界」)が私から離れることはなかった。
すでに翌年の夏までに、私はこの本を四回読ん
でいた。この本がしだいに私に及ぼしていった
影響は甚大なものがあるが、ともかくこの本は
私の生涯にとって決定的なものとなった。
この本によって私は、それまで私が純粋に感情
に従って獲得してきたものすべてについて判断
をくだすことが出来るようになった。」

panse280
posted at 20:19

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