2009年06月20日

優れた精神は騒音を嫌う

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(14)」(375)
--「余録と補遺:哲学小品集 第二巻」--(48)
--Parerga und Paralipomena--
--騒音と雑音について--

<優れた精神は騒音を嫌う>
「一個の大きいダイヤも、これをこなごなに
くだけば小粒の値打ちにしかならないように、
また軍隊が分散して小さい部隊に分けられて
しまうと、もはや威力を発揮しなくなるのと
同じように、偉大な精神も、しょっちゅう邪魔
が入り、中断され、気が散らされるようでは、
普通の精神以上の仕事ができるものではない。
なぜなら彼等が卓越しているのは、その力の
すべてを、ちょうど凹面鏡がすべての光線を
集中するように、ただ一つの点、ただ一つの
対象に集中するからであって、騒音による中断
は、まさにこのことを妨害するからである。
だからすぐれた精神は、常にあらゆる妨害・
中断・気の散ることを嫌ったのであり、普通の
人はさして気にしないのに、とりわけ騒音の
ためにそういう破目になることを極度にいや
がるのである。」
(第378節)

補足:
ショーペンハウアーを最も悩ませてした騒音は
都会の狭い通りに響きわたる馬にあてる鞭(むち)
の音だった。時代を感じます・・・
「いかなる音でも、このいまいましい鞭の音ほど、
鋭く頭脳を切断するものはない。」

panse280
posted at 22:59

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