2009年05月13日

作家の価値

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(14)」(337)
--「余録と補遺:哲学小品集 第二巻」--(10)
--Parerga und Paralipomena--

<文体>
「文体は精神の人相だ。それが人を欺かないこと
は、肉体の骨相以上である。他人の文体を模倣す
るのは、仮面をかぶるのと同じである。
・・・
どんなに醜い顔でも、地の顔のほうが(仮面)よ
りましだ。」

<名文>
「賢くあることは名文の根底にして源泉なり」
(「詩論」ホラティウス)

<作家の価値>
「彼が何について、また何を考えたかを知ることは、
格別必要ではない。・・・さしずめは、彼がどういう
ふうに考えたかを知れば、こと足りるのである。
思索の仕方、この本質的なあり方、すみずみまで行き
わたっている考え方の特性を、精確に写しだしている
のが彼の文体なのだ。文体は、ある人間のあらゆる
思想をつらぬく形式的特性を示しているのであって、
その人間が何を、また何について考えようとも、常に
不変たらざるをえないのである。」

<平凡な作家>
「平凡な頭脳の持ち主たちは、考えたとおりに書く
という決心がどうしてもつかない。そういうことを
すれば、自分が書いたものがいかにも馬鹿らしいも
のに見えるかもしれない、という気がするからだ。
・・・
彼等はその思想をごてごてと飾り立て、見たところ
いかにも該博・深遠であるように仕立てたいのだ。」

panse280
posted at 21:00

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