2009年04月28日

音楽好きのオペラ嫌い

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(13)」(323)
--「余録と補遺:哲学小品集 第二巻」--(40)
--Parerga und Paralipomena--

<音楽好きのオペラ嫌い>
「オペラは非音楽的な人達のための非音楽的な
発明とも言えるだろう。
この連中に対しては、音楽とは無縁な媒介物を
とおして、例えば間延びして気のぬけた恋物語
といった、薄いスープのように味気ない文学的
添え物で、音楽を密輸入してやる必要があるの
だ。
・・・
われわれは言うことができる、オペラは音楽を
台無しにする基となった。
・・・
舞台装置や衣裳の子供じみて野蛮な豪華さ、男性
舞踏家の手品じみたしぐさとバレリーナたちの
短いスカートのために、音楽から精神が抜き去ら
れ散乱するばかりでなく、いや、歌そのものでさ
え和声を乱すことがよくあるのだ。
・・・
ミサ曲の合唱は、オペラなどよりはるかに純粋に
音楽の楽しみをあたえてくれる。
・・・
濁りのない完全な音楽的享受をあたえるのは、
ミサ曲と交響曲だけだ。
・・・
一般にグランド・オペラは、それ自体として、
本質的・根本的に、退屈なものだ。」

panse280
posted at 20:28

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