2009年04月17日

本来のキリスト教とは

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(13)」(312)
--「余録と補遺:哲学小品集 第二巻」--(29)
--Parerga und Paralipomena--

<本来のキリスト教とは>
「原罪ならびにこれと結びつく点を教義にかかげて
いるアウグスティヌス主義は、理解にゆき届いた
本来のキリスト教である。これに反してペラギウス
主義は、キリスト教を粗野・平板なユダヤ教とその
楽天観に逆転させようとする努力である。」

ペラギウス派は平板でわかりやすいためにいつでも
優勢である。現代ではとりわけ合理主義として幅を
きかせている。
ギリシャ正教教会はペラギウス派をやわらげたもの
である。

カトリック教会は、アウグスティヌス的立場に
立つがゆえに神秘的な思想をもったルターや、
さらにまたカルヴァンに対抗しようとした。

イエズス派も半ばペラギウス主義的である。
これに反してヤンセン派はアウグスティヌス主義
を奉じており、彼等の見解がおそらくキリスト教
の最も純正な形であろう。

panse280
posted at 21:08

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