2009年04月06日

キリスト教は何をしたか

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(13)」(302)
--「余録と補遺:哲学小品集 第二巻」--(19)
--Parerga und Paralipomena--

<キリスト教は何をしたか>
「キリスト教は粗野に対抗する原理だった。」

「教会の目的とするところは、現世の生活を快適に
するというよりも、むしろわれわれをよりよい生活
に値する者にすることにある。」

「宗教戦争、宗教的人殺し、十字軍、宗教裁判、
その他の異端糾問、アメリカ原住民の絶滅、そし
てそのかわりにアフリカ奴隷の移入、--こうし
たことが、キリスト教のもたらした実で、これに
類すること、これに匹敵することは古代人では
見当たらない。
・・・
古代人の奴隷は、主人に忠実に仕えて満足している
人たちであって、サトウキビの農場でこき使われて
、人類を呪っている不幸な黒人とは雲泥の差がある。」
(第十五章 第百七十四節 ある対話 )

<アメリカと奴隷>
「北アメリカの諸共和国(奴隷国とよんだほうが
よいが)で奴隷を売買したり所有したりしている
連中は、それこそ人間の姿をした悪魔というべき
だが、じつは彼等は通例、正統のそして敬虔な
英国国教徒なんだ。だからあの連中も、日曜日
に働いたりしたら重い罪だと考えるはずなのに、
奴隷には平気で働かせておいて、自分たちは
几帳面に教会へ通って永遠の救いを望んでいや
がる。」
(第十五章 第百七十四節 ある対話 )

panse280
posted at 19:57

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