2009年03月29日

意志は滅びるか、否か?

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(13)」(294)
--「余録と補遺:哲学小品集 第二巻」--(11)
--Parerga und Paralipomena--

<意志は滅びるか、否か?>
「人は父親から意志を、母親から知性を受け継いで
生まれてくる。そして、人の死によって、知性は
滅びるが意志は滅びない。」というのが
ショーペンハウアーの主張である。

プラトンはショーペンハウアーと逆の主張をして
いる。つまり、知性は不滅で、意志は滅びる、と。
(第百四十節)

<意志の最も深い嘆き>
「個体的意志は飽く事を知らず、そのためあらゆ
る満足は新しい願望を生むことになり、意志の欲求
は永遠に満たされないまま無限に続くということに
なるのだ!これは結局、意志というものがそれ自体
として、万物がその支配下にある世界の主であって、
単なる部分によっては満足させられる事はなく、
無限である全体のみがこれを満足させうるという事
に基づいている。
この盛んな世界の主から見れば、個体的現象におけ
る意志のごときは貧相極まるもので、たいていは
個体的肉体を支えるにたるだけのけちなものになって
いるのを見るとき、情なくならざるを得ない。
ここに意志の最も深い嘆きがあるのだ。」
(第百四十五節)

panse280
posted at 19:34

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