2009年02月11日

六十歳になれば

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(11)」(250)
--「余録と補遺:哲学小品集 第二巻」--(42)
--Parerga und Paralipomena--

--生活の知恵のためのアフォリズム--
--第五章 さまざまな教訓と原則について--
--B われわれ自身に対するわれわれの態度について--

<六十歳になれば>
「六十歳ともなれば、孤独を求める気持ちは自然に
即したもの、いや本能的なものになる。なぜなら、
この年頃になると、・・・社交への強い欲求や、女
をほしがる気持ちや性欲はもはや勢いを失う。
そればかりではない。年をとって男女の区別が消失
することが、しだいに社交への欲求一般を失わせ、
おのれ一人で足れりとする気持ちになる。
・・・
こうした年輩になると、人は以前には霧の中に置か
れていた何千もの事物をはっきりと見ることができる。
・・・
何年もの経験がものをいって、人間から多くの事を
期待するのをやめるようになる。
・・・
六十歳ともなれば、人は世間並みの迷妄にはもはや
さらされることなく、誰についてでもその人がどん
な人なのかがすぐ分かり、こうした人と親しく付き合い
たいといった気持ちをめったにもつことはなくなる。
・・・
ただあまりにも貧弱・下劣な性質の人だけは、年を
とっても、いぜんとして以前のように社交が好きだ。
だが彼らは、もはや彼らとはしっくりしなくなった
社交界では邪魔物になるばかりで、たかだか我慢して
もらっているにすぎない。昔は彼らとても大歓迎を
受けていたのだが。」

panse280
posted at 21:11

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