2009年01月23日

私の哲学は多くのものを節約させるだろう

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(11)」(231)
--「余録と補遺:哲学小品集 第二巻」--(23)
--Parerga und Paralipomena--

--生活の知恵のためのアフォリズム--
--第二章 人にそなわるものについて--

<私の哲学は多くのものを節約させるだろう>>
「わたしの哲学は、決して金銭をもたらすわけでは
ないけれども、多くのものを節約させてくれる。
これに対し、並の人は、生の喜びについて、おのれ
以外のものに、所有物、位階、女、子供、友人、社交
といったものに注意を向けさせられている。そして
こうしたものにその人の生活の幸福が支えられている
ために、そうしたものをなくしたり、そうしたものに
幻滅すると、生活の幸福もいっぺんに失われる。
つまり、その人の重心はおのれの外にあると言っても
よいだろう。そのため、並の人はつねに移りがちな
欲望と気分をもっている。こうした人は、いったん
そのために必要な手段が与えられたとなると、ある
ときは田舎の別荘を、またあるときは馬を買う。
さもなければ祝典を開いたり、旅行に出たりする。
とにかく一般に大がかりな贅沢にふけろうとする。」


「まことの冨はただ魂のうちなる冨だけだ。
ほかのものはすべて、利益よりも困難をもたらす。」
(ルキアノス)

panse280
posted at 20:51

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字