2009年01月21日

孤独なデカルトに嫉妬した女王

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(11)」(229)
--「余録と補遺:哲学小品集 第二巻」--(21)
--Parerga und Paralipomena--

--生活の知恵のためのアフォリズム--
--第二章 人にそなわるものについて--

<退屈>
「頭のめぐりの悪い者が退屈にもろにさらされるのは、
彼らの知性が彼らの意志のための動機の仲介者以上の
なにものでもないからである。いまのところなんらの
動機も現れないということになれば、意志は休止し、
知性は休業する。こうして知性が意志同様に自力では
活動出来ない有様なので、その結果、その人のすべて
の力が恐るべき停滞を示す。つまり退屈がやってくる。」

<孤独なデカルトに嫉妬した女王>
「すげらた豊かな個性を持ち、とくに精神内容が豊富で
あることは、疑いもなくこの世での最大の幸運である。
その精神内容は、卓越した輝かしい人のそれと比べて
そうとう見劣りがしたとしても、いっこう差し支えない。
この点でも当時十九歳になったばかりのスウェーデンの
クリスティーナ女王が、ただ論文一つと人の噂で知り
得た人、そのころ二十年来オランダで完全な孤独の
生活を送っていたデカルトについて述べた次の賢明な
言葉は、意義深いものがある。
「デカルト氏はすべての人間の中で最も幸福な人です。
あの人の生き方はとても羨ましいと思います」」

panse280
posted at 20:27

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