2008年11月19日

自然における意志について

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(8)」(175)
--「自然における意志について」--(2)
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全集8巻目次

・生理学と病理学
・比較解剖学
・植物生理学
・物理天文学
・言語学
・動物磁気と魔術
・シナ学
・倫理学との関連

本書は、主著「意志と表象としての世界」が出版されて
から19年の沈黙を破って世に出た。
本書は、著者の哲学が登場して以来経験的諸科学によって
その正しさが保証されたことを論ずるものである。

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<並の画家はどうしてヘタなのか>
「並みの才能しかない画家は、いかに努力しても、
どうして風景をあのようにへたにしか描けないのだろう?
それはこの画家が風景をより美しく見ないからである。
では何故この画家は、風景をそのように見ないのだろうか?
それはこの画家の知性が、彼の意志から十分に分かれて
いないからである。
知性と意志の分離の度合いが、人間の知性に大きな差別を
形成する。何故なら認識は、それが意志から離れれば離れ
るほどますます純粋になり、したがってより客観的、より
正確になるからである。」


<頭脳と意志とイデアの関係>
「頭脳が優れれば優れるほど、意志はなくなってゆき、
客観がますます主観から解き放されるようになる。
そしてこれによって、外界はいっそう純粋・客観的に
示されることとなり、ついに完全な客観性をそなえた
天才にいたる。こうした完全な客観性によって、個々の
事物からプラトン的イデアが出現する。」

<動機>
「同じように遠くにあって同じように動く二つの
食物の間に座らされた人間は、自由な意志にもとづ
いてその一つを口に運ぶよりは、むしろ飢え死にして
しまうだろう。」
(「天国篇」第四歌 ダンテ)

十四世紀のスコラ派のフランス人哲学者ビュリダン
も、二束の乾し草の間にいたロバがどちらを食べて
よいか決定しかねて餓死した寓話を書いた。

「性格と動機が正確に分かっていれば、生起する
意志行為は月食同様に計算できる」
(カント)

(植物生理学)

panse280
posted at 20:04

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