2008年11月16日

苦悩から逃れようとする者たちへ

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(7)」(172)
--「意志と表象としての世界(全四巻)」の第四巻補足--(42)


<苦悩から逃れようとする者たちへ>
「われわれはその道(苦悩による救済への道)を歩むこ
とすら避けようとあがき、それどころか、力の限りを尽く
して安全快適な生を得ようと努める。こうしてわれわれ
はわれわれの意志を一層固く生へと縛りつけてしまう。
これと逆に振る舞うのが禁欲者である。彼らは意図して
彼らの生を可能な限り貧しく辛く喜びのないものにする
が、それも彼らが真の、究極の幸福を眼中に置いている
からである。
ところでわれわれのために配慮することにかけては、われ
われ自身よりも運命や事のなりゆきの方が上手である。
というのは、それらは、われわれが安逸怠惰な生活の準備
として行なうあれこれの事をいたるところで挫折させ、
われわれがたどる隘路(あいろ)の上に苦労の種を次々と
振りまき積み重ねて、至る所でわれわれにとって有益な
苦悩、つまりわれわれの悲惨の万能薬をもたらすからで
ある。」

(第四十九章 救いの道)

panse280
posted at 19:32

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字