2008年11月13日
山上の垂訓--乞食になれ--
ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer
「ショウペンハウアー全集(7)」(169)
--「意志と表象としての世界(全四巻)」の第四巻補足--(39)
<山上の垂訓--乞食になれ-->
「事の根本に迫る者ならば、山上の垂訓の最も有名な個所
すら、自発的な清貧と、それによる生への意志の否定とを
間接に勧めていることを悟るであろう。というのは、われ
われに対してなされる全ての要求に従い、われわれに下着
を求める者には上着をも与えよ等々という命令(マタイに
よる福音書)、同様に、ゆく末のことは思い煩うことなか
れ、明日の日のことすらも思い煩らわず、ただ今日一日を
ひたすら生きよという訓戒は、これを守ればまちがいなく
完全な貧困に至る生き方であり、したがってこのような生
き方は、仏陀がその弟子に率直に命令し、これを強めるた
めに自ら範を示したもの、すなわち、万事を放擲(ほうて
き)して、乞食になれと説いた教えと同じことを、間接に
説くものである。」
「汝らを担って完成の域に導く最も足早き獣は、
いわく苦悩である」
(「著作集」(マイスター・エックハルト)
(第四十八章 生への意志の否定に関する学説について)
arthur schopenhauer
「ショウペンハウアー全集(7)」(169)
--「意志と表象としての世界(全四巻)」の第四巻補足--(39)
<山上の垂訓--乞食になれ-->
「事の根本に迫る者ならば、山上の垂訓の最も有名な個所
すら、自発的な清貧と、それによる生への意志の否定とを
間接に勧めていることを悟るであろう。というのは、われ
われに対してなされる全ての要求に従い、われわれに下着
を求める者には上着をも与えよ等々という命令(マタイに
よる福音書)、同様に、ゆく末のことは思い煩うことなか
れ、明日の日のことすらも思い煩らわず、ただ今日一日を
ひたすら生きよという訓戒は、これを守ればまちがいなく
完全な貧困に至る生き方であり、したがってこのような生
き方は、仏陀がその弟子に率直に命令し、これを強めるた
めに自ら範を示したもの、すなわち、万事を放擲(ほうて
き)して、乞食になれと説いた教えと同じことを、間接に
説くものである。」
「汝らを担って完成の域に導く最も足早き獣は、
いわく苦悩である」
(「著作集」(マイスター・エックハルト)
(第四十八章 生への意志の否定に関する学説について)