2008年10月27日

キューピッドはメクラだった?

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(7)」(152)
--「意志と表象としての世界(全四巻)」の第四巻補足--(22)

<キューピッドは残酷な支配者>
「(古人)が種属の霊を擬人化したキューピッドは、見た眼
にはあどけないが、そのくせ敵対的で残酷な、そのため人に
嫌われる神であり、また気のむらな、専制的なダイモーン
であるが、それでも神々と人間の支配者なのである。

神々と人間の暴君たるなんじ、エロスよ。
(「宦官」テレンティウス)」

<キューピッドは盲目と翼が彼の属性である>
「人を殺(あや)める弓矢、盲目と翼が彼の属性である。
翼は無常を暗示しており、これは通常、満たされたあと
に起こる幻滅とともにはじめて現れる。

すなわち激情は、種属にとってのみ価値のあるものを個体
にとっても価値があるように瞞着してみせる妄想に基づく
ものであるため、種属の目的が達せられれば、錯覚は消え
うせざるをえない。

個体をとらえていた種属の霊は、再び個体を解放するので
ある。種属の霊に見棄てられると、個体はふたたび元来の
偏狭貧寒な状態にまいもどり、あのように崇高で英雄的な、
無限の努力を捧げたにもかかわらず、そのあとにおのれの
楽しみとして得たものといえば、どんな性的満足によって
もざらに与えられるものにすぎなかったことを知って驚く
のである。

個体は、期待に反し、以前より格別幸福でもないことを
発見し、おのれが種属の意志に欺かれたものであることに
気づく。」

(第44章 性愛の形而上学)

参考:キューピッド:ローマ神話に登場する愛の神、ギリシ
ア神話のエロスに相当する。 巷の溢れるキューピッドの
眼は盲目ではなくパッチリと開いている。

panse280
posted at 21:19

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