2008年10月26日

愛しいことも愛しいが、憎いことも憎い

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(7)」(151)
--「意志と表象としての世界(全四巻)」の第四巻補足--(21)


<愛しくて憎い>
「性愛は、相手に対する極度の憎悪とさえ矛盾しない
ことがある。すでにプラトン(「パイドロス」)がこ
れを羊に対する狼の愛にたとえたのもそのためである。

愛しいことも愛しいが、憎いことも憎い。
(「シンビリーン」シェークスピア)

恋いをしている男が恋人の冷淡さと、彼の苦悩を見て
虚栄心を満足させて喜ぶのを残酷というのは、実際
誇張ではない。というのは、彼は、昆虫の本能のように
、理性の説くあらゆる道理に逆らって自分の目的を是が
非でも追求し、その他の一切のものを無視するように強制
する衝動の影響に支配されており、彼はこの影響から
逃れることができないからである。」


<個人の幸福は種属の意志に破壊される>
「種属の霊はいたるところで個人の守護神と戦いを交え、
その迫害者であり敵であって、おのれの目的を貫徹する
ためには、個人の幸福を容赦無く破壊する覚悟をしてい
る。シェークスピアはこの種の例を、「ヘンリー六世」
でわれわれに提示している。」

(第44章 性愛の形而上学)

panse280
posted at 18:46

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