2008年10月10日

優れた人間とは

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(7)」(135)
--「意志と表象としての世界(全四巻)」の第四巻補足--(5)


<優れた人間とは>
「エゴイズムとは、人間が全実在を自分一個の人格に限定し、
自分はこの人格内にのみ存在して他のそれの中には存在して
おらぬと思い違いをする点にある。
・・・
優れた人間とは自己と他者との間にほとんど差別を設けず、
他者を絶対の非我と見ることなき者である。」

<優れた人間の死とは>
「優れた人間の死は概して安らぎと穏やかさに満ち、みず
からすすんで、心から、喜びにあふれて死ぬことができる
ということは不惜身命(ふしゃくしんみょう)の人士、生
への意志を放擲(ほうてき)し否認した者の特権である。
なぜなら彼のみが単に見せかけではなく実際に死ぬことを
欲し、したがって自己一身の存続を必要ともせず、また
それを求めもせぬからだ。」

(第41章 死および、死とわれわれの本質の不懐性との
関係について)

panse280
posted at 23:04

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