2008年09月16日

芸術作品の効用

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(6)」(112)
--「意志と表象としての世界(全四巻)」の第三巻補足--(5)


<芸術作品の効用>
「われわれが事物の客観的な本質、すなわち、事物の内に
現れるイデアを把握することができるのは、事物がわれわれ
の意志と無関係であることによって、われわれが事物そのも
のになんらの関心も持たない時のみである。またこの結果と
して、存在者のイデアは現実界からよりも、芸術作品からの
ほうが、われわれに語りかけるのに容易である。
というのは、われわれが絵や詩の中でのみ見るものは、すで
にそれ自体が認識にためにのみ存在し、直接この認識にのみ
身を向けているがゆえに、われわれの意志となんらかの関係
に立つ一切の可能性を除かれているからである。

ところが、現実界からイデアを把握するのは、いわばおのれ
自身の意志を無視すること、おのれ自身の利害関係を超越す
ることを前提とするのであり、こういう超越は、知性の特殊
な跳躍力を必要とする。このような跳躍力を比較的高度に、
しかもかなりのあいだ持続させるのは、天才にのみ備わった
ことである。」

(第30章、純粋な認識主観について)

panse280
posted at 20:58

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