2008年08月18日

その読書は危険である

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(5)」(83)
--「意志と表象としての世界(全四巻)」の第一巻補足--(4)


<読書をする前に自分でそれについてよく考え抜いて
おかないと、その読書は危険である>

「普通の学者の多くの知は死んでいる。・・(それらは)
抽象的な認識から成り立っているからである。・・・

多くの学者の顔は、刻苦勉励の痕跡をとどめてはいるが、
その痕跡たるや死んだ概念を不自然に詰め込むために
記憶を無理矢理、酷使し、そのために、疲労困憊(こんぱい)
し使いものにならなくなったということを示すだけである。
同時にこういう連中は、しばしば極めて愚直で、アホな
間抜け面(づら)をしている。・・・

他人の思想が絶えず流入するということは、自分の思想を
妨害し、窒息させ、それどころか、思考力がその不自然な
流れに逆らうことが出来る高度の弾力性をもたない場合に
は、長い間には、その思考力を麻痺させるに違いないので
ある。
それゆえ絶えず読書と研究とに没頭していれば、それは
全く頭脳をだめにする。」


panse280
posted at 22:07

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