2008年08月15日

愚かな頭脳は騒音に強い!

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(5)」(80)
--「意志と表象としての世界(全四巻)」の第一巻補足--(1)


<騒音について--愚かな頭脳は騒音に強い!>
「いかなる喧噪も思考する際に、あるいは読書や書きもの
などにさいして凡人の頭脳を妨害することはないのに、すぐ
れた頭脳のほうは喧噪によって完全に無能力なものとされる。
しかしこれら凡人の頭脳をしてどのような種類の喧噪に対して
もきわめて無感覚にしてしまうまさにそのものが、この頭脳を
して造形芸術における美に対して無感覚にしてしまうのであり、
また言葉の芸術の中で深く考えられたことや、言い表わされた
ことに対して、彼らの個人的関心と関係のないすべてのことに
対して無感覚にしてしまうのである。
・・・
すなわち誰もが煩(わずら)わされずに我慢しうる喧噪の量は、
その人の精神力に逆比例しており、それ故精神力のおおよその
尺度とみなされうるということである。
それゆえある家の中庭で犬が長時間にわたって、静かにしろと
叱られもしないで吠えているのを聞く場合、私はすでにこの家
の住人の精神力をどう評価しなければならないかを知っている。
部屋の扉を手で閉めないで習慣的にぱたんと閉める人、あるいは
それを家の中で許している人は、単に不作法な人間であるだけで
なく、粗野な愚かな人間である。」

<視覚(悟性)と聴覚(理性)>
「視覚は能動的性格をもっているがゆえに追跡する動物、つまり
肉食獣において抜群に鋭く、逆に聴覚という受動的感覚が、追跡
を受ける、逃げ回る、臆病な動物においては鋭いのである。」

panse280
posted at 21:28

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