2008年07月21日

人物の伝記

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(3)」(56)
--「意志と表象としての世界」--

<第四巻 意志としての世界の第二考察>
--自己認識に達した場合、生への意志の肯定と否定--

<人物の伝記>
意志の否定を生み出す認識は直覚的であり、抽象的
ではない。その完全な表現は、行為や行状にのみ
見出される。卓越せる行為というものに会う機会
がないわれわれとしては「人物の伝記」で満足せざ
るをえないであろう。

例えば、「聖フランチェスコ伝」

「わたしによって提示されたもろもろの概念について
の格別に詳細きわまる実例であり、それを事実によって
説明したものとして私が特に推薦できるのは、ギュイヨン
夫人の自叙伝である。
・・・
しかしこの本は、月並みの考えをする人々、つまり
多数の人々にとっては、たえず評判が悪いことであろう。
というのは、誰しも何時でも何処でも、ある程度おのれ
に類似しているもの、微弱ではあっても少なくともそれ
への素質のあるものしか評価できないからである。
これは知的なことについても倫理的なことについても
あてはまる。」
(第六十八節)

注:フランチェスコ:12世紀後半、イタリアはローマ
の北に位置するウンブリア地方アッシジの町に生まれた。
マザー・テレサは彼の人生を聞き、修道女を目指したと
言われる。

注:ギュイヨン夫人(Jeanne-Marie Bouvier de
la Motte-Guyon1648-1717)
フランスの神秘家,静寂主義。この主義はローマ・カト
リック教会によって異端とみなされて、1695年から1703年
までバスティーユに投獄された。

panse280
posted at 20:41

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