2008年06月21日

数学的な崇高

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(3)」(27)
--「意志と表象としての世界」--

<第三巻 表象としての世界の第二考察>
--根拠律に依存しない表象、プラトンのイデア、芸術の客観--

<数学的な崇高>
「空間と時間における世界の無限な大きさに関する
観察に没頭し、経過した幾千年と未来の幾千年とに
ついて思いをはせるとき、・・・
われわれはおのれ自身が縮小されて無に等しいとい
う感をいだき、・・・
あたかも大海の一滴のように消えうせてゆき、溶け
去って無と化するという感をいだく。
しかしこれと同時に、われわれ自身が空無であると
いうそういう幻影に反対して、・・・これらの世界
は実際ことごとくわれわれの表象のなかにのみ現存
するのであり、純粋な認識作用の永遠の主観のもろ
もろの変容として現存するにすぎないという直接的な
意識が立ち上がる。・・・
それゆえ人は世界の測りがたさによって意気が消沈
せしめられるのではなく、かえって高揚せしめられる。」
(第三十九節)



panse280
posted at 20:33

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