2008年06月19日

光についての歓喜

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(3)」(25)
--「意志と表象としての世界」--

<第三巻 表象としての世界の第二考察>
--根拠律に依存しない表象、プラトンのイデア、芸術の客観--

<光>
「光の欠如はそれだけでただちにわれわれを悲しませる。
その再来はわれわれを幸福にする。もろもろの色彩は
それだけでただちに生き生きとした喜悦を引き起こす。
それらが透明な場合、愉しみは最高度に達する。これら
全ての事がよってくる理由は、ひとえに光というものが
最も完全に直観的な認識方式の相関者であり条件である
からである。この認識方式は、直接的に意志を触発する
ことが全くないただ一つの認識方式である。」

・視覚は意志との直接の結合をもたない。
・聴覚、触覚、嗅覚、味覚などは、意志に対して
直接的な影響により多く従属している。


「光についての歓喜とは、実際のところ、最も純粋で
最も完全である直観的な認識方式が客観的に可能である
ということについての歓喜であるにすぎない。こういう
歓喜そのものは、すべての意欲から解放されすべての
意欲を免れている純粋な認識作用こそ最も喜ばしいもの
であり、こういう認識作用そのものがすでに美的な享受
に対して大きな分け前をもつという事実から導きだすこと
ができる。」
(第三十八節)

panse280
posted at 20:38

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字