2008年05月28日

ゲーテの色彩論

ショーペンハウアー 1788-1860
arthur schopenhauer

「ショウペンハウアー全集(1)」(3)

<根拠律の四つの根について>

「セネカの「たとえ妬みがきみと同時代に生きる
すべての人に沈黙を命じたにしても、やがて偏見も
贔屓もなく判断する人々がやって来るだろう」
(書簡79)という約束をかたく信じて、・・・
わたしはこの若いときの仕事をできるかぎり補修した。
人生は短く無常なものであるのに、二十六才の時に書い
たものを六十才になってなお訂正することができたとは、
まことに稀有の幸せと言わなければなるまい。」
(序文より)

「明晰さこそは哲学者の誠実のしるしである」
(ヴォーヴナルグ)

<視覚と色彩について>
「わたしがわたしの理論によって彼(ゲーテ)を
超える本質的な第一歩を印したとき、彼はおのれの
不満を次のような警句のなかに吐きだした。
--生徒が先生と同格になったのでなければ、
生徒は喜んで、先生の価値を末長く担うべきだ。--
・・・わたしは、ゲーテが前述の手紙のなかで論じた
ように、個人的に色彩論における彼の弟子であった。」

<ニュートンと私の理論の違い>
「ニュートンはあらゆる色をたんに七本の同質な光線
の隠れた質であるとみなし、それぞれに名前をあたえて
あとは放置したので、色それぞれの特殊な差異や固有な
効果がまったく説明されないままで終わった。これに
反し、わたしの理論は、色それぞれの特性を解明し、
個々の色があたえるそれぞれ特殊な印象と特別な効果
の根拠がどこにあるかを理解させる。」

「「卓越したものはめったに見いだされず、めったに
評価されない」・・・やがてゲーテの色彩論が公正に
扱われる日がやってこないものでもあるまい。・・・
「功績とは火薬のようなものである。それは狭い場所
に押し込められるほど爆発力はますます強大になる。」」


panse280
posted at 21:44

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