2008年05月25日

昭和史

渡部昇一
shoichi watanabe 1930-

「昭和史」
--松本清張の「昭和史発掘」批判--

信じられない、北原二等兵

<北原二等兵の傍若無人>
「北原事件というのは、北畑泰作という二等兵が
軍隊内での部落差別を天皇陛下に直訴した事件です。」

北原二等兵は昭和二年一月、岐阜の第六十八連隊
第五中隊に配属。

入隊式の途中で北原二等兵は班内に帰ろうとしました。
軍曹から「体調が悪いのか」と聞かれると、「悪い!」と
いって兵舎に戻った。これは日本陸軍では想像を絶する
ことです。
そして入隊するときには必ず、上官の命令には従う趣旨の
宣誓をします。しかし、北原はしません。普通なら
殴り倒されるところです。

武藤中尉は北原に宣誓するように頼みますが宣誓しない。
そこで、大隊長、それでもNO! 今度は一番偉い、
連隊長が呼び出しますが「いまは食事中です。食べ終わる
まで待ってもらいたい」といったあげく、やはり宣誓を
拒否。

その後も北原の勝手放題はつづく、上官に従わない、
挨拶を求められても「わしはあんたを尊敬もしていない
から」挨拶はしない、と。上官も「北原二等兵」と解ると
殴り倒すこともできなかった。

外出しても、時間どうりに帰ってこない。
「部落差別をするな」といって開き直られると、軍隊で
すら手も足も出なかった。

軍隊内でそんな傍若無人が許される国はあの当時、世界
のどこにもなかった。ソ連やドイツならすぐ銃殺です。

とにかくあの時代に、日本陸軍がたった一人の二等兵に
手も足も出なかったということは驚くべきことです。

注:陸軍の階級
二等兵・一等兵・上等兵・伍長・軍曹・曹長・特務曹長・
准尉・少尉、
少尉から上が「将校」



panse280
posted at 20:13

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