正しい乞食
道元1200-1253
dougen
「正法眼蔵随聞記」(11)
(水野弥穂子訳)
<衣食の事兼ねてより思ひあてがふ事なかれ>
「衣食の事は、前々からあてを作っておいては
ならない。よしんば乞食する場所についても、
もしも食べる物がなくなった時には、あそこで
托鉢をしよう、あの人に頼んで布施をしてもら
おうなどと思っているのも、とりもなおさず物
を貯えているのと同じで、正しい生き方でなく
なる。禅僧は雲のように定まった住所もなく、
水のように流れていってよるべもないのを僧と
いうのである。」